特別賞
コンセプト
「乳がんと闘う」この言葉のない世界を目指して
概 要
株式会社Lily MedTechは、女性起業家による東大発のベンチャー企業で、リング状の超音波振動子を使用して乳房の3Dスキャンが可能な、被ばくや痛みのない女性に優しい乳房用画像診断装置を開発しています。
乳がんは罹患者数、死亡者数共に年々増加する傾向にあり、日本人女性の11人に1人が罹患するといわれています。また、40代の罹患率が最も高く、子育てや仕事に忙しい世代が罹患しやすいという特徴があります。一方、乳がんは早期に発見・治療を開始できれば治しやすいがんでもありますが、日本における乳がんの検診率は低迷しています。
Lily MedTechが開発中の装置はベッド型で、ベッドの天板に穴が開いており、穴の下の水槽の中にお湯が張られています。患者さんは、ベッドにうつ伏せに横たわり、片胸を水槽につけることで、乳房全体の3D画像が自動で撮像されます。
特徴は、超音波を使用しているため、被ばくせず、若い世代に多い高濃度乳房の方に対しても検診精度が低下しません。また、乳房に直接触れないので、圧迫による痛みがありません。そして、自動で撮像するため、検査技師の手技に依存しません。
痛みや被ばくの無い、女性に優しい乳房用の画像診断装置を実現することで、乳がん検診率の向上と早期発見に貢献し、女性の選択肢やそのご家族の幸せを奪わない世界の実現を目指しています。
審査ポイント
技術的水準は非常に高く、想定の価格帯・品質で製品化に成功すれば、乳がん診断の世界のスタンダードを塗り替える可能性がある。世界中の女性を救う日本の技術誕生のためにも早期実現化を願う。